













向島ハローズの裏に入って進んだ先の厳島神社前の駐車場から徒歩で50Mほど住宅街を入った所にこの店はある。
はっきり言って超分かりづらい立地で、のぼりを目印に行かないとなかなか見つけることが難しい。
外観も普通の民家で、玄関を入ると雰囲気はまるっきり田舎の祖父母の家である種懐かしさすら窺える。
今回は初来店だったが、「十割そば大盛り」と「蕎麦がき」を頼んでみた。
他にも、二八蕎麦、にしん膳やかけそば、蕎麦豆腐や蕎麦くず餅、1週間前までに予約すればコースも味わえるようだ。
ご主人には、その人柄が言葉の端々に表れるような優しい口調で「初めてですか」と聞かれ、初めてであることを伝えると「始めに数本そのままで食べて見て下さい。あとはご自由にどうぞ。」と教えていただいた。
蕎麦は福井の越前蕎麦で、石臼挽きにこだわり、麺もそこまで短くなく香りは上品で喉ごしもつるりとしている。
また出汁は鹿児島県産の鰹節を贅沢に使い、さっぱりと香り高く、何杯でもいただけそうな天然出汁。薬味のネギは向島産の青ネギで、真っ黒な奈良漬けも最高に美味だった。
以前は長野の信州蕎麦だったらしいが、ご主人の好みではなかったようで、結局、粒が大きくそば粉の取扱のしやすい越前蕎麦に変えたという。
そば湯は濃厚でとろりとしており、一見豆乳のようにも見えたが、今回のは少し薄めだといわれた。個人的にはもっと熱々で欲しかったが、猫舌の人には飲みやすい温度であろう。
蕎麦がきは作る際の水一滴で硬さが変わるというが、常連からは「少し硬めにしてほしい」という注文も受けるときもあり、少々困る時があるとご主人が苦笑まじりに話していたが、上に述べたさっぱりした鰹出汁に浸かった蕎麦がきはもっちりとしていて、酒と一緒にいくらでも食べられそうな逸品。
こちら2013年に開店し、今年で10年の節目(2023年来店時)。
来客が多いときには12時ぐらいには蕎麦がなくなる場合もあるそうで、あらかじめ予約をしておくと良いかもしれない。予約の受付時間は朝の9時まで。
■ 基本情報
名称:手打ちそば 圓山(まるやま)
住所:広島県尾道市向島町5534-14
営業時間:11:30~14:00(予約は9:00までに)
定休日:月曜日・金曜日
全席禁煙・個室なし・15席
駐車場:3台